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なんにもない!(EVERYTHING GONE)
 〜タイ・インド洋大津波の痕跡を訪ねる旅2005〜

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◆バンコク Bangkok

1. ひどく場違い


≪ネオンの消えることのないカオサン通り≫

朝、目を覚ますと、
時計の針は10時をまわっていた。
久しぶりの長旅で疲れていたのだろうか。

荷物をまとめて、さっそくバックパッカーの聖地
「カオサン通り」へ。
映画『ビーチ』でレオナルド・ディカプリオが最初に
たどり着いた場所だ。

バックパッカーが集まる場所いうから、
もっと穴場的に静かでわびしいのかと思ったら、
カオサン通りはまるで新宿の歌舞伎町。

町はタイ人よりも明らかにガイジンの方が多い。
しかも、旅慣れた人たちはヒッピーみたいに農民パンツ
(ヒザ丈ズボン)によれよれシャツ、そして怪しげな
ウィードで作ったアクセをしている。

思ったよりもうるさい。 というか、かなりうるさい。
ホテルがあるとは思えないほど、ガヤガヤしている。

カオサン通りの西側の入り口には
津波で行方不明になった人たち、亡くなった人たちの
ビラが貼られてあった。
にぎやかな繁華街の喧騒とは対照的に、この一角だけ
まるで死んだかのようだ。
ここを訪れる人たちは時折足を止め、静かに黙とうを
ささげたり、死亡者のリストを見入ったりしている。

あまりの現実の重たさに、自分がこの場にいることが
ひどく場違いなことのように思われた 。


≪行方不明捜索のビラにみな言葉を失う≫



 


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